ユーロネクストがLSEへの清算委託打ち切り、24年に傘下の伊機関に移管

仏パリとオランダのアムステルダムを本拠とする欧州の多国籍取引所ユーロネクストは8日、ロンドン証券取引所(LSE)グループと結んでいる株式、デリバティブ(金融派生商品)、商品取引の清算委託契約を2024年7~9月期までに打ち切ると発表した。同業務は買収したイタリア取引所の清算機関CC&Gに移管する。

ユーロネクストは同取引の大半をLSEの清算部門であるLCHが仏パリで運営する拠点に委託していた。しかし、LSE傘下のイタリア取引所を買収したことから、LCHに依存する必要がなくなった。

LSEは19年、金融情報やリスク管理などのサービスを提供するリフィニティブを買収すると発表した。しかし、LSEとリフィニティブが欧州の国債の電子取引で大手となっていることから、EUの欧州委員会が承認に難色を示したため、是正策として伊国債を中心とする債券の電子取引システムを運営するMTSを持つイタリア取引所の売却を決定。21年4月にユーロネクストが買収していた。

ユーロネクストは2027年が期限だったLCHとの契約を途中で打ち切り、グループ内での清算に切り替える。LCHには3,600万ユーロの違約金を支払う。

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