仏ケーブルテレビ大手ニュメリカブルの親会社であるアルティス(ルクセンブルク)は3日、ブラジル通信大手オイにポルトガル・テレコム(PT)の事業を買収することを提案したと発表した。買収額は70億3,000万ユーロ。
オイとPTは昨年10月に合併で合意。合併は実現していないが、PTの事業はオイに移管されている。アルティスが買収を提案したのは、PTのアフリカを除く事業。
PTとオイは合併によってブラジルを本拠とする新会社「CorpCo」を設立する予定だった。新会社の出資比率はPTが38%、オイが62%。しかし、ポルトガルのエスピリト・サント・グループの子会社へのPTの巨額の貸し付けが、同社の破綻によって焦げ付いたことから状況が変わり、7月にオイからCorpCoの出資比率を25%まで引き下げることを迫られていた。アルティスによる買収が実現すると、同合併計画は撤回されることになる。
アルティスは仏携帯電話サービス2位SFRの買収を決めたばかり。PT買収によって通信事業を一段と強化する。