欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/10

西欧

船舶燃料販売大手OWバンカーが破綻、詐欺事件の損失などで

この記事の要約

船舶向け燃料販売大手のOWバンカー(デンマーク)は7日、裁判所に破産手続き開始を申請したと発表した。同社は国内有数の大型企業だが、シンガポール法人の詐欺事件などで巨額の損失が生じ、資金繰りに行き詰まったため、破綻に追い込 […]

船舶向け燃料販売大手のOWバンカー(デンマーク)は7日、裁判所に破産手続き開始を申請したと発表した。同社は国内有数の大型企業だが、シンガポール法人の詐欺事件などで巨額の損失が生じ、資金繰りに行き詰まったため、破綻に追い込まれた。

同社によると、詐欺が発覚したのはシンガポール法人のダイナミック・オイル・トレーディング。詳細は不明だが、2人の幹部が関与した疑いを持たれおり、損失額は約1億2,500万ドルに上る。さらに、取引関連で約1億5,000万ドルの損失が生じたことも確認されたという。

これによって資金繰りが悪化したOWバンカーは、取引銀行につなぎ融資を求めていたが、5日に交渉が不調に終わったことから、事業継続は不可能と判断。破産手続きに着手することを決めた。

OWバンカーは売上高ベースでデンマーク3位の企業。2013年の売上高は170億ドルに上る。同社は5月に上場したばかりだった。