欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/28

EUその他

欧州議会、トラックの燃費・安全性改善策を承認

この記事の要約

欧州議会は15日の本会議で、大型トラックの燃費や安全性の向上のため欧州委員会が提案していたトラックの重量とサイズに関するルールの改正を承認した。 欧州委は2013年4月、貨物トラックのデザインを空気力学的な効率性の観点か […]

欧州議会は15日の本会議で、大型トラックの燃費や安全性の向上のため欧州委員会が提案していたトラックの重量とサイズに関するルールの改正を承認した。

欧州委は2013年4月、貨物トラックのデザインを空気力学的な効率性の観点から向上させるため、1996年に制定された重量物運搬車の重量と寸法に関するルールの見直しを提案した。丸みを帯びたフォルムと、車体後部にフラップ(高揚力装置)を備え、空力性能を高めた貨物トラックを導入することによって燃費を向上し、温室効果ガスの排出量を7~10%削減するという内容だ。さらに、運転中の視野が改善することで衝突事故の危険性が著しく減少し、年間200~300人の交通事故死亡者の削減につながるとしている。

EUではトラックが関係する事故による死亡者が年間4,000人を超えている。また、大型トラックは年間800億リットルのディーゼル燃料を消費し、EUのCO2排出量の6%を占めている。欧州委のカラス副委員長(運輸担当)は欧州議会の承認を受け、「環境に優しい未来のトラックの革新的なデザインを可能にし、道路をよりクリーンで安全にするという欧州委の目標をサポートするものだ」とのコメントを発表した。

欧州委の提案は、EU加盟国による承認手続きを経て正式に発効する。空力性能が高い新型トラックが市場に投入されるのは2018~20年頃になる見通しだ。