スコットランド首相が辞任表明、英からの独立運動に影響も

英スコットランド行政府のスタージョン首相は15日、辞任する意向を表明した。英国からの独立を目指す第1党・スコットランド民族党(SNP)の党首も辞任する。後継者が決まるまで現職にとどまる方針だが、独立運動の旗振り役を担ってきたスタージョン氏の辞任が独立の動きに影響を与える可能性が高い。

スコットランドでは2014年に独立の是非を問う住民投票が実施され、反対多数で否決された。スタージョン氏は投票結果を受けて引責辞任した前任者の後継としてSNP党首と行政府首相に就任。引き続き英国からの独立を唱え、昨年6月には23年10月に2度目の住民投票を実施する計画を打ち出した。当時のジョンソン政権が否定的な見解を示したため、行政府側は英政府の同意なしに合法的に住民投票を実施することが可能か最高裁判所に判断を仰いだが、最高裁は11月、実施には英政府の同意が不可欠と判断。住民投票の実施は不可能とみられていた。

スタージョン氏は記者会見で、辞任の決断は「短期的な圧力」によるものではなく、「長期的な視野で検討した結果」だと説明。スコットランドでは独立支持者が多数を占めると確信しているが、実現に向けて支持をより強固なものとし、拡大する必要があると指摘したうえで、「そのためには政治的分断を乗り越えなければならず、新しいリーダーなら実現できると判断した」と述べた。

今のところスタージョン氏の有力な後継者は定まっていない。SNPは16日、6週間以内に党員による投票で次期党首を選出する方針を明らかにした。24日まで立候補を受け付け、3月13~27日に投票を実施。集計が完了次第、結果を公表すると説明している。

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