ファッション製品のオンライン販売を手がける独ザランドは21日、数百人規模の人員削減を実施すると発表した。コロナ禍に伴う特需が終息し、経営環境が厳しくなっていることに対応した措置となる。具体的な削減数は明らかにしていないが、英有力経済紙フィナンシャル・タイムズは全従業員の最大5%に上ると報じた。
ザランドはコロナ禍の「巣ごもり需要」で電子商取引(EC)サイトを通じた販売が2020年から21年かけて急増。この時期に事業を拡大し、人員も増強した。
しかし、欧州でコロナ対策の行動制限撤廃が進んだ22年から追い風が一気にやみ、世界的な景気悪化で業績不振に陥るのが避けられないことから、余剰人員の削減に踏み切る。声明によると、削減には上級管理職も含まれる。物流センター、カスタマーサービス、実店舗など最前線での業務に従事する要員は対象外となる。
ザランドは2008年に創業してから急成長を続け、ファッション製品のオンライン販売で欧州有数の事業者となっている。現在は欧州25カ国で事業を展開。従業員は約1万7,000人に上る。