エストニア国営電力のエースティ・エネルギアは15日、地熱開発事業を手掛ける同国のジオサーマル・バルチックと協力し、同国北東部ナルバ(Narva)で地熱利用の試験事業を行う計画を明らかにした。エースティ・エネルギアの発電子会社エネフィットがナルバに持つ用地内で、ジオサーマル・バルチックが試験用のボアホール(ボーリング孔)を開設する。試験に成功した場合、二酸化炭素(CO2)を排出しない熱エネルギーを低廉な料金でナルバ市に提供できるようになる。
試験結果に応じ、最低でも15メガワット(MW)の容量を持つ熱生産用ボアホールを建設する予定。地熱利用に際してはカナダの地熱エンジニアリング大手エバー(Eavor)の独自技術「エバー・ループ」を使用する。同技術は数キロメートルの深さの岩盤に蓄えられた熱を用いてエネルギーを生成し、外部からの干渉を受けない閉じられたシステムを通じて消費者に供給する。
エースティ・エネルギアの経営委員であるマルグス・バルス氏は「地熱エネルギーの利用はカーボンニュートラル(炭素中立)なエネルギー生産に役立つ」とコメント。エストニアで大規模な地熱エネの利用が可能か、ナルバでテストすると述べた。