欧州委員会は7日、香料業界でカルテルなどEU競争法に違反する談合が行われている疑いがあるとして、EU域内の関連会社の事業所に立ち入り調査を実施したと発表した。対象企業の具体名は非公表だが、香料世界最大手のジボーダン(スイス)が同日、調査を受けたことを確認した。
立ち入り調査はEUの複数の加盟国にある拠点を対象に行われた。欧州委によると、対象企業には香料、香料の原料の供給をめぐって談合している疑いが浮上している。談合は世界的な規模で、米司法省、スイスと英国の競争当局と連携して調査を進めているという。
ジボーダンは同日、欧州委とスイス当局の立ち入り調査を受けたと発表。広報担当者は「調査に全面的に協力していく」とコメントした。
一方、スイス当局は8日、ジボーダンにスイスのフィルメニッヒ、独シムライズ、米インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランスを加えた大手4社が調査対象となっていることを明らかにした。
カルテルなど競争法違反でEUに摘発された企業は、世界の売上高の最大10%に相当する制裁金を科される可能性がある。