EUのガス共同調達、ウクライナも参加

EUの欧州委員会のシムソン委員(エネルギー担当)は9日、EU加盟国が天然ガスを共同調達する仕組みにウクライナが参加すると発表した。ロシアの軍事侵攻でガス不足に陥っているウクライナを支援する狙いがある。

ガス共同調達は、ロシアのウクライナ侵攻に伴うガス不足に対応するため、EUが2022年3月の首脳会議で決めたもの。加盟国間の獲得競争による価格上昇を防ぐと同時に、価格交渉力を高めるという利点がある。23年の冬に備えて、数カ月以内に最初の調達契約を結ぶことを目指している。

シムソン委員が記者会見で明らかにしたところによると、ウクライナは共同調達参加によって、今冬向けに20億立方メートルのガスを追加で確保する方針だ。

ウクライナの21年のガス消費量は273億立方メートル。うち198億立方メートルは国内での生産で賄っている。国営ガス会社ナフトガスの推定では、22年の生産はロシアによる侵攻の影響で180億立方メートルに落ち込んだ。

同国では発電への天然ガス依存が少ないが、暖房、工業は燃料をガスに頼っており、不足は大きな影響をもたらす。

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