国際通貨基金(IMF)は11日に発表した最新の世界経済見通しで、世界全体の2023年の予想成長率を2.8%とし、前回予測(1月)の2.9%から0.1ポイント下方修正した。米国でシリコンバレー銀行など2行が経営破綻し、スイス金融大手のクレディ・スイスが経営危機に陥っていることで金融不安がくすぶっていることや、物価高などを考慮した。一方、ユーロ圏の予想成長率は0.8%で、0.1ポイント上方修正した。(表参照)
ユーロ圏の上方修正は、インフレ率の鈍化が続いていることなどが要因。24年には1.4%まで回復すると見込んでいる。ただ、24年の予想成長率は0.2ポイント引き下げられた。
ユーロ圏主要国の23年の予想成長率は、ドイツがマイナス0.2ポイント下方修正のマイナス0.1%。主要7カ国(G7)ではマイナス0.3%となった英国ともに、景気が落ち込むと予想された。
フランスとイタリアは0.7%。フランスは前回と同じ。イタリアは0.1ポイントの上方修正となった。スペインは前回を0.4ポイント上回る1.5%に引き上げられた。