インフィニオンの新工場が着工、EU半導体法が初適用

半導体大手の独インフィニオンが東部ドレスデンに建設する新工場が、2日に着工した。EUの半導体法に基づく助成措置が初めて適用されるプロジェクトで、着工式には欧州委員会のフォンデアライエン委員長、独ショルツ首相が出席。ショルツ首相は、ドイツが化石燃料への依存から脱却するためには極めて多くの半導体が必要になると述べ、「この門出はドイツにとって大きなチャンスだ」と意義を強調した。

個別投資では同社史上最大の50億ユーロを投じて新工場を建設。2026年秋から製造を開始する。アナデジLSI(アナログ・ミックスドシグナル)とパワー半導体の生産基盤が強化されるとしている。最大1,000人の新規採用を見込む。

インフィニオンのドレスデン工場は、同社がシーメンスの半導体部門だった1994年に初めて設置された。現在は同社の主要な製造拠点となっており、200ミリ、300ミリウエハーを用いた製品400種類以上を手がけている。雇用規模は3,250人に上る。

EUの「欧州半導体法」は、半導体供給でのアジアへの依存度を下げるため、域内での半導体製造拡大を支援するのが目的。2030年までに官民で430億ユーロを投じ、開発拠点や生産設備の増強を後押しするほか、有力メーカーの誘致にも力を入れる。

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