欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/24

総合 – 欧州経済ニュース

ECBの国債買い入れ秒読みか、ドラギ総裁が用意を明言

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は17日に開かれた欧州議会の公聴会で、景気浮揚と低インフレ対策として金融緩和を拡大することに前向きの意向を示し、国債買い入れの用意があることを明言した。これを受けてユーロ圏の主要市場では […]

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は17日に開かれた欧州議会の公聴会で、景気浮揚と低インフレ対策として金融緩和を拡大することに前向きの意向を示し、国債買い入れの用意があることを明言した。これを受けてユーロ圏の主要市場では株価が上昇。ユーロも下落した。

ユーロ圏では債務危機が沈静化しても景気回復の足取りが重く、物価が上がりにくい状況が長期化している。ECBは政策金利を過去最低の0.05%まで引き下げたほか、資産担保証券(ABS)、担保付き債券(カバードボンド)の買い入れを決めたが、国債買い入れなど本格的な量的緩和は見送ってきた。

ドラギ総裁は11月初めの定例政策理事会後の記者会見で、必要に応じて「非常的措置」を講じることで理事会は一致していると述べ、量的緩和を検討していることを明らかにしていた。今回は同発言を繰り返した上で「非常的措置には多様な資産の購入が含まれる。国債もそのひとつだ」と述べ、国債買い入れに踏み切る用意があることを初めて明確に示した。

市場ではドラギ総裁の発言を受けて、量的緩和が秒読み段階に入ったとの観測が浮上している。ただ、ECBは12月初めに開く政策理事会での決定は見送り、実施は年明け後との見方が多いようだ。