英通信市場で大規模な再編が浮上してきた。固定通信最大手のBTグループは11月24日、スペイン通信最大手テレフォニカの携帯電話サービス部門「O2」の英子会社買収に向けた交渉を行っていると発表。さらに、別の英携帯電話サービス会社の買収について、対象企業の株主から打診を受けていることも明らかにした。この企業は仏オレンジとドイツテレコムの合弁会社EEであることが26日に確認された。
O2の英部門の前身はBT傘下のBTセルネット。BTは2001年、積極的な買収が裏目に出て膨れ上がった債務を圧縮するため同社を分離。05年にテレフォニカが177億ポンド(約223億ユーロ)で買収していた。
同社をめぐっては、テレフォニカが債務削減のため売却を検討していることを明らかにしていた。BTはO2またはEEの買収によって携帯電話サービス市場に復帰し、固定通信、携帯電話、有料テレビを合わせた総合通信事業者として集客力を高めることができる。
英携帯電話サービス市場は現在、EEとO2、ボーダフォン、香港ハチソン・ワンポア傘下のスリーの4社体制。EEは最大手だが、世界の通信市場で総合的なサービスを展開する事業者が強みを増す中、親会社のオレンジとドイツテレコムはBTとの統合に動いたと目される。