欧州エンジニアリング大手の仏タレスと独シーメンスは11月24日、スペインの鉄道インフラ整備管理公社(ADIF)から高速鉄道の保安システム増強事業を共同受注したと発表した。受注額は5億1,000万ユーロ。
対象となるのはスペイン北部のオルメドとオウレンセを結ぶ340キロメートル区間の保安システム整備。タレスが55%、シーメンスが45%を出資して結成したコンソーシアム(企業連合)を通じて受注した。
スペインでは昨年7月、北西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラ近郊で高速鉄道が脱線し、79人が死亡する事故が発生。列車が制限速度を超えた場合に自動的に減速するシステムが整備されていなかったことが事故の一因となったことから、ADIFは安全対策強化を進めている。
タレスとシーメンスの連合は同路線で、ブレーキ自動警告システム(ASFA)や最新の信号・通信システムなどを整備する。期間20年の保守契約も結んだ。