欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/12/8

EUその他

オレンジのスペイン通信会社買収、欧州委が疑義

この記事の要約

欧州委員会は4日、仏通信最大手のオレンジがスペインの固定通信事業者ジャズテルを買収する計画について、競争上の懸念があるとして承認を見送ったことを明らかにした。本格的な調査を実施し、2015年4月24日までに買収の可否を最 […]

欧州委員会は4日、仏通信最大手のオレンジがスペインの固定通信事業者ジャズテルを買収する計画について、競争上の懸念があるとして承認を見送ったことを明らかにした。本格的な調査を実施し、2015年4月24日までに買収の可否を最終判断する。

ジャズテルはブロードバンドを中心とする固定通信サービス会社。オレンジは9月、同社を34億ユーロで買収することで合意していた。スペイン市場で先行するテレフォニカ、英ボーダフォンに対抗し、携帯電話サービスと固定電話、高速インターネット接続を合わせた総合通信サービス事業者としての地位強化が狙いだ。

欧州委は初期調査の結果、スペイン通信市場で固定電話サービスを展開する事業者がオレンジとジャズテルの統合によって4社から3社に減り、ネット接続と携帯電話をパッケージにして定額で提供するサービスの料金が値上がりする恐れがあると判断。オレンジが11月中旬に同懸念に対応するための是正策を提示したものの、問題は解消されないとして現時点で承認せず、詳細な調査を進めることを決めた。