欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/12/8

西欧

ドイツ鉄道が航空10社に損害賠償請求、貨物カルテルめぐり

この記事の要約

ドイツ鉄道(DB)は1日、航空貨物をめぐるカルテルでEUに摘発された航空12社のうち、日本航空など航空10社に対して、損害賠償の支払いを求める訴訟を国内で起こしたと発表した。DBは同カルテルに絡んで米国でも7社を相手取っ […]

ドイツ鉄道(DB)は1日、航空貨物をめぐるカルテルでEUに摘発された航空12社のうち、日本航空など航空10社に対して、損害賠償の支払いを求める訴訟を国内で起こしたと発表した。DBは同カルテルに絡んで米国でも7社を相手取って損賠訴訟を起こしており、請求額は合わせて21億ユーロに上る。

同社はケルン地方裁判所に提訴した。対象はルフトハンザドイツ航空、日本航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、カンタス、シンガポール航空など。損賠請求額は約12億ユーロで、これに約5億6,000万ユーロの利払いを加えた額の支払いを要求している。

EUの欧州委員会は2010年、航空12社が国際航空貨物で、燃料価格の上昇分を上乗せする「燃油特別付加運賃」(燃油サーチャージ)の課金で足並みをそろえるなど価格カルテルを結んでいたとして、うち11社に総額7億9,940万ユーロの制裁金支払いを命じた。

ルフトハンザはカルテルを通報して摘発に協力したため制裁を免除されたが、DBは同社も損害賠償訴訟の対象に含めた。