欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/5

東欧・ロシア・その他

ロシア中銀がルーブル安対応に懸命、企業の外債借り換えを支援

この記事の要約

ロシア中央銀行は12月24日、ウクライナ問題をめぐる欧米の制裁で外貨調達が制限され、外貨建て債務の借り換えが困難となっている国内の大手企業を支援するため、ドルとユーロ資金を供給する方針を打ち出した。ルーブル安対応の一環で […]

ロシア中央銀行は12月24日、ウクライナ問題をめぐる欧米の制裁で外貨調達が制限され、外貨建て債務の借り換えが困難となっている国内の大手企業を支援するため、ドルとユーロ資金を供給する方針を打ち出した。ルーブル安対応の一環で、16日に実施した大幅利上げに続く異例の措置となる。

中銀は国内の金融機関にドルとユーロを供給。これらの金融機関を通じて輸出関連企業にドル・ユーロ資金を融資し、外債の借り換えを支援する。

ロシア企業は2015年に約1,200億ユーロの対外債務が償還期限を迎えるが、制裁によって欧米の金融市場から締め出されているため海外で資金調達ができず、借り換えが難しい状況にある。

中銀は16日、ルーブル安対策として主要政策金利を一気に6.5ポイント引き上げて17%とした。これによってルーブル安にとりあえず歯止めがかかったが、対ドルレートはなお年初と比べて40%低い水準にある。中銀の措置は企業の借り換えを支援すると同時に、これらの企業がルーブルを売って外貨を調達する動きが強まることでルーブル安の進行を食い止める意図もある。