2015/1/12

EUその他

肥満は障害、欧州司法裁が判断

この記事の要約

肥満を理由とした解雇は差別に当たるとしてデンマーク人男性が元雇用主を訴えていた裁判をめぐり、欧州司法裁判所はこのほど、肥満が身体的、精神的問題をもたらし就労の妨げになる場合には障害と見なし得るとの判断を示した。 体重約1 […]

肥満を理由とした解雇は差別に当たるとしてデンマーク人男性が元雇用主を訴えていた裁判をめぐり、欧州司法裁判所はこのほど、肥満が身体的、精神的問題をもたらし就労の妨げになる場合には障害と見なし得るとの判断を示した。

体重約160キロのこの男性はデンマーク南部ビルンで地方自治体の施設で保育士として1996年から勤務していたが、2010年に解雇された。施設側は児童数の減少を解雇理由と説明しているが、解雇通告の際の面談で肥満についての言及があったとされている。男性は肥満を理由に解雇されたのは差別に当たるとして損害賠償を求めて提訴。デンマークの裁判所は、この事案が障害などによる雇用差別を禁じたEUの雇用均等待遇指令に関わるとして、欧州司法裁に判断を付託していた。

欧州司法裁は今回、「肥満自体は障害ではない」とする一方で、「長期にわたる身体的、精神的、心理的な機能障害があり、職務を完全かつ効果的に遂行できない」場合、肥満を雇用均等待遇指令に定める障害と認定し得るとの見解を示した。デンマークの裁判所は欧州司法裁の見解を踏まえ、男性の肥満が障害であり、解雇が差別に当たるかについての最終的な判断を下すことになる。

欧州司法裁の判断はEU全域で法的拘束力を持つ。法律の専門家によると、雇用主が特別仕様の椅子や駐車場を確保したり、映画館やレストランが特別の座席を用意するなど、肥満者に対して障害者と同様の「合理的調整」が義務付けられる可能性がある。

世界保健機関(WHO)の統計によると、欧州では男性の20%、女性の23%が肥満とされる。