欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/19

EU産業・貿易

昨年のEU新車販売4.7%増、7年ぶりのプラスに

この記事の要約

欧州自動車工業会(ACEA)が16日発表したEU(マルタを除く27カ国)の2014年12月の新車販売(登録)台数は前年同期比4.7%増の95万1,329台だった。販売増加は16カ月連続。通年では前年比5.7%増の1,25 […]

欧州自動車工業会(ACEA)が16日発表したEU(マルタを除く27カ国)の2014年12月の新車販売(登録)台数は前年同期比4.7%増の95万1,329台だった。販売増加は16カ月連続。通年では前年比5.7%増の1,255万771台となり、07年以来7年ぶりに前年を上回った。(表参照)

通年ではオランダ、ベルギー、オーストリアを除く24カ国で増加した。主要国ではスペインがエコカー購入奨励策の効果で18.4%増と大きく伸びた。ドイツは2.9%増、フランスは0.3%増、イタリアは4.2%増、英国は9.3%増だった。

欧米の主要メーカーで販売が落ち込んだのは独オペルだけ。仏ルノーが13.3%増と最も伸びた。最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は7.2%増。ルノー傘下のダチアが23.9%増、VW傘下のシュコダが14.2%増、セアトが13.8%増と、低価格ブランドが好調だった。

日本車はトヨタが3%、日産が13.4%、マツダが20.4%、スズキが6.8%、三菱が30.5%の幅で増えた。ホンダは4%減と唯一落ち込んだ。

リーマンショックを機に冷え込み、ユーロ危機もあって6年連続で販売が低迷していたEU新車市場はようやく上向きに転じた。しかし、ここにきて景気回復が鈍化し、デフレ懸念が強まっていることで、今年も復調が続くかどうかは不透明な情勢だ。