欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/19

EU産業・貿易

ギリシャ大手2行、中銀に緊急支援要請

この記事の要約

ギリシャ大手銀行のユーロバンク・エルガシアスとアルファバンクは、ギリシャ銀行(中央銀行)に緊急流動性支援(ELA)を要請した。ロイター通信が16日、両行の関係者の話として伝えた。政局の混乱に伴う預金の流出などから手元の資 […]

ギリシャ大手銀行のユーロバンク・エルガシアスとアルファバンクは、ギリシャ銀行(中央銀行)に緊急流動性支援(ELA)を要請した。ロイター通信が16日、両行の関係者の話として伝えた。政局の混乱に伴う預金の流出などから手元の資金が減少したため。

ユーロバンク・エルガシアスとアルファバンクの関係者はロイター通信の取材に対し、ELAの申請は予防的な措置であり、現時点でELAの資金を使う計画はないと説明。ユーロバンクの幹部の1人は、スイスフラン建て融資に対するエクスポージャーも支援要請に踏み切る一因になったと述べた。同行はユーロより金利の低いフラン建ての融資を拡大していたが、スイス中央銀行が15日に発表したスイスフランの防衛目標撤廃を受けたスイスフランの高騰で、融資が焦げ付く恐れが高まった。ギリシャの主要銀行の貸付総額にスイスフラン建て融資が占める割合は2~4%だが、ユーロバンク・エルガシアスは11%と突出して高くなっている。

ギリシャでは今月25日に実施される議会選挙で財政緊縮策に反対する野党が勝利した場合、EUや国際通貨基金(IMF)の間で金融支援をめぐる対立が深まり、場合によってはユーロ離脱の可能性も指摘されている。こうした不安を背景に銀行預金の流出が加速しており、流出額は今月だけで40億ユーロに達している。