欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/9

総合 – 欧州経済ニュース

EUがシリア・イラクに10億ユーロ追加支援、「イスラム国」対策で

この記事の要約

EUは6日、シリアとイラクの人道危機および両国で勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の脅威に対処するための包括的戦略をまとめ、今後2年間で10億ユーロを拠出すると発表した。 包括的戦略は人道的支援、危機 […]

EUは6日、シリアとイラクの人道危機および両国で勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の脅威に対処するための包括的戦略をまとめ、今後2年間で10億ユーロを拠出すると発表した。

包括的戦略は人道的支援、危機拡散防止、テロ対策に重点を置く。10億ユーロのうち4割は人道支援に割り当て、シリア・イラク国内の避難民およびトルコ、レバノン、ヨルダン、イラクといった近隣諸国のシリア難民と受け入れ側の自治体を支援する。また、危機の拡散を防止するため、ヨルダンとレバノンを中心に安全保障および国境管理への支援を強化。さらに、EUからアラブ地域への外国人戦闘員の流入阻止やシリア周辺国の国境警備強化の支援、若者が過激思想に染まらないよう教育面での対策を優先することなどが盛り込まれている。モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は包括的戦略について、「長期にわたってテロと暴力に蹂躙されてきた、我々の非常に近くに位置する地域の平和と安全保障の回復を後押しするための我々の取り組みを強化するものだ」と語った。

EUはシリア危機対応における最大の援助提供者であり、援助額はこれまでに32億ユーロ以上にのぼっている。