欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/9

西欧

アイルランド建材大手CRH、大手2社の事業取得

この記事の要約

アイルランド建材大手のCRHは2日、セメント大手の仏ラファージュとスイスのホルシムから一部事業を総額65億ユーロで取得することで合意したと発表した。ラファージュとホルシムが合併の条件としてEUから売却を求められている資産 […]

アイルランド建材大手のCRHは2日、セメント大手の仏ラファージュとスイスのホルシムから一部事業を総額65億ユーロで取得することで合意したと発表した。ラファージュとホルシムが合併の条件としてEUから売却を求められている資産のうち欧州を中心とする11カ国の事業、施設が対象となる。これによってCRHは世界3位の建材メーカーとなる。

取得するのは英国、ドイツ、フランス、ルーマニア、ハンガリー、スロバキア、セルビア、米国、カナダ、ブラジル、フィリピンの事業や工場。セメントのほかアグリゲート(骨材)、アスファルト事業が含まれる。対象事業の売上高は51億ユーロに上る。英国ではラファージュ傘下の英建材会社ラファージュ・ターマックを買収し、国内最大手となる。

セメント販売で世界1位のホルシムと2位ラファージュは昨年4月に合併で合意。新会社「ラファージュホルシム」は売上高が約400億ユーロに上る巨大セメント会社となり、競争上の大きな問題があるため、両社は12月にEUの欧州委員会から承認を取り付けた際、条件として一部事業の売却を求められた。

CRHとの取引は6月末までの完了を見込む。CRHは20億ユーロを現金で支払い、残りは新株発行、銀行からの借り入れで賄う。新株は現在の株式の9.99%に相当する規模となる。