欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/5

総合 – 欧州経済ニュース

4月のユーロ圏インフレ率0.7%、縮小に歯止め

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが4月30日発表した同月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比0.7%となり、前月の0.5%を0.2ポイント上回った。インフレ率縮小に歯止めがかかった格好だが、季節的要因が影響したとみられて […]

EU統計局ユーロスタットが4月30日発表した同月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比0.7%となり、前月の0.5%を0.2ポイント上回った。インフレ率縮小に歯止めがかかった格好だが、季節的要因が影響したとみられており、デフレ懸念は払しょくされていない。

同月のインフレ率は、エネルギー価格のマイナス幅が2.1%から1.2%に縮小し、サービス分野の上昇率が1.1%から1.6%に拡大したことで、前月を上回った。価格変動が激しいエネルギー、食品、アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は1%で、前月から0.3ポイント上昇した。

インフレ率の上昇は予想通り。ホテル代などサービス料金が値上がりするイースター休暇が前年は3月だったのに対して、今年は4月に重なったためだ。ただ、上昇率は市場予測の0.8%を下回り、欧州中央銀行(ECB)が上限目標値とする2%を依然として大きく割り込んでいる。

ECBはデフレ回避のため、追加金融緩和を検討している。市場はインフレ率が再び縮小に転じ、ECBが金融緩和に踏み切るのは確実との見方で一致しているが、とりあえずインフレ率の縮小に歯止めがかかったことで、8日に開かれる次回の定例政策理事会では緩和を見送ると予想する向きが多いようだ。