欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/16

総合 – 欧州経済ニュース

EUがテロ対策強化で合意、旅客情報共有・国境審査厳格化など

この記事の要約

EUは12日の首脳会議で、先月にフランスで起きた一連のテロ事件を受けてテロの再発を防止するための包括的な対策を取ることで合意した。各国の情報交換の強化や国境審査の厳格化などを通じてテロ対策を進める。 首脳会議は、フランス […]

EUは12日の首脳会議で、先月にフランスで起きた一連のテロ事件を受けてテロの再発を防止するための包括的な対策を取ることで合意した。各国の情報交換の強化や国境審査の厳格化などを通じてテロ対策を進める。

首脳会議は、フランスのパリで新聞社が襲撃されるなどして17人が犠牲になった一連のテロ事件について、「連帯、表現の自由を含む自由、多元主義、民主主義、寛容および人間の尊厳といったEUの核心となる基本的な価値や人権を標的にしたものだ」と非難。市民の安全を守るため旅客機の搭乗客のデータをEU各国が共有する制度を導入することや域外との国境管理の厳格化、各国の保安当局の連携強化や武器密輸対策、資金洗浄やテロリストの資金調達の防止およびテロに利用される資産を効果的に凍結するため措置を速やかに実施することなどで合意した。また、過激な思想が広がらないようにインターネットを監視し、テロなどをあおるような内容があれば削除することや、中東、北アフリカ、西バルカン地域などとの連携を強化し、テロを封じ込めるための外交努力に一段と力を入れていくことでも一致した。

EUのデ・ケルコブ・テロ対策主席調査官はAP通信の取材に対し、今回合意された対策は「(欧州の)脆弱性を低減する」と指摘。対策が実施されれば、欧州市民の安全は向上するとの見方を示した。