EUが4月28日付で、モルドバの市民がEUの大部分の国を旅行する際のビザ(査証)取得義務を免除した。これによって生体認証(バイオメトリック)パスポートを保有しているモルドバ人の旅行者は、短期滞在であればシェンゲン協定参加国(英国、アイルランド、ルーマニア、ブルガリア、クロアチアを除くEU諸国とノルウェー、アイスランド、スイス)をビザなしで旅行することができるようになる。
モルドバはEUとの連携強化を目指しており、昨年11月に貿易、政治、社会、文化、安全保障面の結びつきを強める「連合協定」に仮調印した。これを受けて欧州委員会は同月、モルドバへのビザ免除を提案。今年2月に欧州議会、3月に加盟国が承認し、28日からビザなし渡航が認められるようになった。
旧ソ連邦諸国ではアルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシの3カ国もEUとの連合協定締結を摸索していたが、ロシア寄りに転じたため、モルドバとグルジアだけが11月に仮調印した。両国は6月に正式調印することになっている。