カネカは17日、独化学メーカーのバイオテックと包括提携することで合意したと発表した。カネカの生分解性ポリマー「アオニレックス」をバイオテックに供給し、新たな樹脂、商品開発を共同で進める。欧州市場の開拓が主な狙いで、カネカはバイオテックを通して同地の事業を拡大していく。
アオニレックスは100%植物由来の「3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸の共重合ポリエステル」樹脂。共重合比率を調整することで硬質から軟質まで幅広い物性を示す。優れた耐熱性、生分解性、耐加水分解性、水蒸気バリア性も持つ。
欧州では現在、環境保護の観点から生ゴミ処理用のコンポスト袋などで非石油由来の生分解性樹脂の使用が拡大していることから、カネカは今回の提携に踏み切った。
バイオテックは「バイオプラスト」ブランドで生分解性樹脂を販売している。植物由来のアオニレックスを新たに使用することで、商品ラインナップを拡充する考えだ。
両社は製剤カプセル、紙コーティング材、包装材などの分野で研究開発資源を持ち寄り、新たな商品開発を進めていく。