2014/4/7

EUその他

英のグループ法人税制はEU法違反、欧州裁がハチソンに軍配

この記事の要約

香港の有力コングロマリット(複合企業)ハチソン・ワンポアが、英国の携帯電話サービス子会社の損失移転をめぐって英税務当局と争っている問題で、欧州司法裁判所は1日、利益と損失の相殺を原則として内国法人間のみに制限する英国のグ […]

香港の有力コングロマリット(複合企業)ハチソン・ワンポアが、英国の携帯電話サービス子会社の損失移転をめぐって英税務当局と争っている問題で、欧州司法裁判所は1日、利益と損失の相殺を原則として内国法人間のみに制限する英国のグループ法人税制は、EU法に違反しているとの判断を示した。

英国で採用されているグループリリーフ制度は、一方が他方の75%子会社である場合、または、双方がともに共通親会社の75%子会社である場合に、一方の法人事業から生じた損失を他方の法人の事業所得から控除することを認めている。同制度の適用対象は原則として英国法人だが、一定の条件の下で欧州経済地域(EEA)各国のグループ会社との間でも損失の授受が可能となっている。また、グループリリーフは、コンソーシアムを形成する企業グループ間の損失控除にも拡大適用される(コンソーシアムリリーフ)。

ハチソンは、英国の携帯電話サービス子会社であるハチソン3Gが通信網構築に伴い計上した巨額の損失を、医薬品小売大手スーパードラッグ・ストアーズなどの英子会社の利益と相殺するため、コンソーシアムリリーフの適用を申請した。しかし、英国歳入関税はこれらの企業が共通の親会社を持たず、損失移転に関わる中間持株会社のハチソン3G UKインベストメンツがルクセンブルクに本社を置いていることを理由に申請を却下した。ハチソンは同決定を不服として申し立てを行い、英一審裁判所はコンソーシアムリリーフ制度がEU法に準拠しているかについての判断を欧州司法裁判所に付託していた。

欧州司法裁は、英国法人であるにもかかわらず中間持株会社が国外にあるという理由で損失移転を認めないのは差別的な取り扱いであり、正当化することはできないと指摘。コンソーシアムリリーフ制度は、欧州連合の機能に関する条約(TFEU)第49条に定める「企業設立の自由」に違反しているとの判断を示した。

ハチソン・ワンポア・ヨーロッパのサルバン副社長は欧州司法裁の判断を受けて声明を発表し、「我々のコンソーシアムリリーフ適用申請の根拠が確認された」と述べた。コンソーシアムリリーフ適用が認められた場合、ハチソンは10億ポンドを超える損失の控除が可能になる。