欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/2

総合 – 欧州経済ニュース

ボスニア議会が改革計画承認、EU加盟へ前進

この記事の要約

ボスニア・ヘルツェゴビナの議会は2月23日、EU加盟に必要な政治・経済改革の実施計画を承認した。同計画はEUから求められていたもので、民族融合を深化させて中央集権化を進め、改革推進の体制を強化することを柱とする内容。これ […]

ボスニア・ヘルツェゴビナの議会は2月23日、EU加盟に必要な政治・経済改革の実施計画を承認した。同計画はEUから求められていたもので、民族融合を深化させて中央集権化を進め、改革推進の体制を強化することを柱とする内容。これによって悲願のEU加盟に向けて一歩前進した。

ボスニアは多民族国家で、民族対立を背景とする1992-95年の内戦が終結してからもセルビア系住民が中心のスルプスカ共和国、ムスリムおよびクロアチア系住民からなるボスニア連邦の分権体制が続いている。これがEU加盟の大きな障害となっており、2008年に加盟の前段階となる「安定化・連合協定(SAA)」に調印したが、EU側の批准は完了していない。

改革の実施計画は、英・独の呼びかけに応じてまとめられた。3民族が結束し、機構改革と経済改革を推進することを謳っている。3民族の代表が合意し、議会で承認された。

EUがSAA批准の条件としていた議会の承認が完了したことで、EU加盟国は同協定の批准手続きを進める見込み。ボスニアは加盟候補国としての認定を取り付けることが次の目標となる。

旧ユーゴ諸国はスロベニア、クロアチアがEU加盟を果たすなどEU統合が進んでいるが、ボスニアは加盟手続きが最も停滞しており、加盟候補国認定を申請していない唯一の国となっている。