欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/2

総合 – 欧州経済ニュース

ロシア・エネルギー相、ガス供給問題めぐる3者協議に参加表明

この記事の要約

ロシアとウクライナが天然ガス供給をめぐって対立している問題で、ロシアのノバク・エネルギー相は2月27日、EUが両国の仲介を図るため提案したウクライナ、EUとの3者協議に参加すると明らかにした。ノーボスチ・ロシア通信が報じ […]

ロシアとウクライナが天然ガス供給をめぐって対立している問題で、ロシアのノバク・エネルギー相は2月27日、EUが両国の仲介を図るため提案したウクライナ、EUとの3者協議に参加すると明らかにした。ノーボスチ・ロシア通信が報じた。

ウクライナの国営ガス会社ナフトガスは先月18日、政府軍と親ロシア派武装集団の戦闘によりパイプラインが損傷したとして、同国東部の親ロシア派支配地域へのガス供給を停止した。これを受け、ロシア政府は国営ガス会社ガスプロムに対し、親ロ派地域へガスを送るよう指示、同社は19日から直接供給を開始した。ガスプロムは、親ロ派地域に供給するガスの代金はウクライナが前払いしたガス代金から差し引いており、ウクライナに輸出できるガスの量は少なくなったと主張。ミレル社長は24日、前払いを受けている代金で供給できるのはあと2日分しかないと指摘し、「追加の支払いがなければ同国への供給を止める」と警告した。一方、ウクライナ側は、ガスプロムが同国の了承なしに親ロシア派地域に供給しているガスは契約量に含まれないとして反発している。

欧州は消費するガス量の約6分の1をロシアからウクライナ経由で輸入している。ウクライナへの供給が停止された場合、大きな影響が出るため、欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長が両国に書簡を送り、今月2日にブリュッセルで三者協議を開くよう提案していた。ウクライナ側はすでにデムシチン・エネルギー相が参加を表明している。

ノバク・エネルギー相は記者団に対し三者協議への参加を表明したうえで、「ウクライナへのガス供給と欧州の消費者へのトランジットをめぐる状況について話し合うことになる」と述べた。

ロシアとウクライナは昨年10月、EUの仲介によるガス交渉で、ウクライナがガス代金を前払いすることや冬季のガス価格などで合意。ロシアは同6月に停止したガス供給を再開していた。