欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/5

EUその他

仏がPED対策で日本からの豚輸入禁止、EUも対応協議へ

この記事の要約

仏食料・農業・水産省は2日、家畜伝染病の豚流行性下痢(PED)が北米やアジアで広がっている事態を受け、米国、カナダ、メキシコ、日本からの生きた豚や豚肉入り飼料の輸入を禁止すると発表した。PED対策として生きた豚などの禁輸 […]

仏食料・農業・水産省は2日、家畜伝染病の豚流行性下痢(PED)が北米やアジアで広がっている事態を受け、米国、カナダ、メキシコ、日本からの生きた豚や豚肉入り飼料の輸入を禁止すると発表した。PED対策として生きた豚などの禁輸に踏み切ったのは、欧州ではフランスが初めて。欧州委員会は6日に加盟国の専門家を集めて対応を協議する見通しで、EU全体で豚の輸入が制限される可能性もある。

PEDは子豚が感染すると高い確率で死亡する。ただ、人には感染しないため、食用の豚肉や豚肉を使った加工品は禁輸の対象に含まれていない。今年1月以降に米国とカナダからフランスに輸入された豚は合わせて10頭程度(日本とメキシコは不明)と数は少ないが、農業省高官はロイター通信の取材に対し、「PEDは感染した場合の死亡率が極めて高く、感染が広がった場合の経済的な影響が大きい」と指摘した。

同高官はさらに、欧州委にEUとして北米や日本からの豚の輸入を禁止するよう提案したものの、同意を得られなかったと説明。「EUが方針を決めるまでの間」、先行して禁輸措置を講じるとつけ加えた。

一方、豚肉の生産量で欧州最大のドイツは今のところ事態を静観している。農業省の報道官は「(6日に開かれる)会議の結果を待つ」と述べ、現時点では単独で輸入制限などの措置を講じる計画はないことを明らかにした。