欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/2

西欧

日立、伊フィンメカニカの鉄道部門買収で合意

この記事の要約

日立製作所は2月24日、伊防衛・航空宇宙大手フィンメカニカの鉄道部門を買収することで合意したと発表した。フィンメカニカが全額出資する鉄道車両部門アンサルドブレダの全株式と鉄道信号部門アンサルドSTSの株式40%を総額8億 […]

日立製作所は2月24日、伊防衛・航空宇宙大手フィンメカニカの鉄道部門を買収することで合意したと発表した。フィンメカニカが全額出資する鉄道車両部門アンサルドブレダの全株式と鉄道信号部門アンサルドSTSの株式40%を総額8億900万ユーロで取得する。今年下期の買収手続き完了を見込む。

日立はアンサルドSTSの株式40%を1株当たり9.65ユーロで取得する。買い取り総額は7億7,300万ユーロに上る。アンサルドブレダの全株式が3,600万ユーロで取得する。アンサルドSTSについては、残る株式も株式公開買い付け(TOB)で取得し、完全子会社化する計画で、全株式を取得した場合の買収額は19億ユーロを超える見込みだ。

フィンメカニカは債務圧縮のため、不振が続くアンサルドブレダとアンサルドSTSを売却し、経営資源を中核の航空宇宙、防衛事業に集中する方針を昨年に固め、11月に日立が買収を提案していた。売却によって負債は約6億ユーロ縮小する見通しだ。

日立の鉄道関連部門は小規模だが、欧州市場を中心に拡大する戦略を打ち出しており、昨年に海外事業本部を英ロンドンに移した。今回の買収によって鉄道部門の売上高は4,000億円を超える。これは欧州市場のライバルであるカナダのボンバルディエ、独シーメンス、仏アルストムの半分程度だが、これら3強を追撃する体制を強化できる。