欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/2

西欧

アップル、欧州にデータセンター開設

この記事の要約

米アップルは2月23日、欧州に2カ所のデータセンターを開設すると発表した。「iTunes(アイチューンズ)」や「App Store(アップ・ストア)」など欧州の顧客に向けのオンラインサービスの拠点となる。アップルの欧州で […]

米アップルは2月23日、欧州に2カ所のデータセンターを開設すると発表した。「iTunes(アイチューンズ)」や「App Store(アップ・ストア)」など欧州の顧客に向けのオンラインサービスの拠点となる。アップルの欧州での投資額としてはこれまでで最大となる総額17億ユーロを投じ、2017年に操業を開始する予定だ。

データセンターは、アイルランド西部のゴールウェイ州アゼンリーとデンマークのユトランド半島中部ヴィボーにそれぞれ8億5,000万ユーロをかけて建設する。いずれの施設も面積は16万6,000平方メートルで、100%再生可能エネルギーで稼働する。

アップルのクック最高経営責任者(CEO)は声明で、「欧州で事業を拡大し、何百人もの雇用を創出できること、最新の技術を備えた環境に配慮したデザインのデータセンターを導入できることを誇りに思う」と述べた。

アップルは欧州19カ国で1万8,300人を雇用しており、過去1年間に欧州で2,000人を新たに雇用し、14年は欧州企業と78億ユーロの取引があったと説明している。同社は、租税回避の目的で法人税が極端に低いアイルランドの子会社に利益を集中させていたとして、昨年6月から欧州委員会の調査を受けている。今回、巨額の投資計画を発表したのは、欧州の雇用に貢献していることをアピールし、租税回避への批判を緩和する狙いがあるとの指摘もある。