欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/9

EU産業・貿易

EUの男女賃金格差、13年は16.4%

この記事の要約

EU統計局ユーロスタット統計局ユーロスタットは5日、2013年の女性の平均賃金が時給換算で男性を16.4%下回ったと発表した。08年の17.3%と比べわずか0.9ポイントの改善にとどまり、男女の賃金格差が依然として根強い […]

EU統計局ユーロスタット統計局ユーロスタットは5日、2013年の女性の平均賃金が時給換算で男性を16.4%下回ったと発表した。08年の17.3%と比べわずか0.9ポイントの改善にとどまり、男女の賃金格差が依然として根強い実態が浮き彫りとなった。

男女の賃金格差が最も大きかったのはエストニアで29.9%に達し、オーストリア(23%)、チェコ(22.1%)、ドイツ(21.6%)が続いた。格差が最も小さいのはスロベニアの3.2%で、マルタ(5.1%)、ポーランド(6.4%)、イタリア(7.3%)、クロアチア(7.4%)が次いだ。08~13年に賃金格差が最も縮小した国はリトアニアで、21.6%から13.3%に改善。一方、ポルトガルでは9.2%から13%に拡大した。

ユーロスタットは女性の平均賃金が男性を下回る理由として、女性が多い職種は賃金が低い傾向にあること、子育てによるキャリアの中断やパート勤務の多さ、仕事より家庭を優先する女性が多いことなどを挙げている。域内の被用者全体に女性が占める割合は46%にのぼるが、手工業では11%、管理職では33%にとどまっているのに対し、事務補助とサービス・販売ではそれぞれ67%、64%に達するなど職種ごとにばらつきが大きい。

欧州委員会は昨年3月、男女間の賃金格差解消に向け、加盟国に対し賃金の透明性確保を求める勧告を採択している。