欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/16

西欧

セメント大手2社の合併が混迷か、ホルシム株主が条件変更を要求

この記事の要約

セメント大手の仏ラファージュとスイスのホルシムの合併計画が混迷してきたようだ。ホルシムの株主がより有利な条件での合併を求めているためで、合意内容を見直し、株式交換比率を変更する可能性が浮上している。 セメント販売でホルシ […]

セメント大手の仏ラファージュとスイスのホルシムの合併計画が混迷してきたようだ。ホルシムの株主がより有利な条件での合併を求めているためで、合意内容を見直し、株式交換比率を変更する可能性が浮上している。

セメント販売でホルシムは世界1位、ラファージュは同2位。両社は2014年4月に合併で合意し、売上高が約400億ユーロに上る新会社「ラファージュホルシム」が誕生することになった。合併は株式交換方式で行われ、交換比率は1対1となる。

両社は今年6月末までの合併手続き完了を目指しており、昨年末にはEUの承認を取り付けた。しかし、スイスのソンタグ・ツァイトゥング紙は先ごろ、ホルシムの創業家で筆頭株主となっているシュミットハイニー一族が、合併合意後の同社の業績が好調で株価が上昇したことから、対等合併に反対し、条件見直しを求めていると報じた。株式交換比率をホルシムに有利なように変更するか、ホルシム株主が特別配当を受け取ることを要求し、同社経営陣にラファージュと交渉するよう圧力をかけているという。

英フィナンシャル・タイムズによると、合併で合意した際の時価総額はホルシムがユーロ換算で210億ユーロ、ラファージュが184億ユーロだった。しかし、ホルシムの時価総額はスイスフラン高の影響もあって、現在は230億ユーロに膨らんでいる。