欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/30

EUその他

ガリレオ衛星2基の打ち上げ成功、年間6基を軌道に投入

この記事の要約

欧州独自の衛星利用測位システム「ガリレオ」の衛星2基が27日、仏領ギアナのクールー宇宙基地から打ち上げられた。欧州宇宙機関(ESA)によると、衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。ガリレオをめぐっては、昨年8月 […]

欧州独自の衛星利用測位システム「ガリレオ」の衛星2基が27日、仏領ギアナのクールー宇宙基地から打ち上げられた。欧州宇宙機関(ESA)によると、衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。ガリレオをめぐっては、昨年8月に実施された5号機と6号機の打ち上げが失敗に終わり、計画の遅れが懸念されていたが、今回の成功でプロジェクトは大きく前進する。

ガリレオ7号機と8号機は、現地時間18時46分にロシアのソユーズロケットで打ち上げられた。当初は昨年12月の打ち上げが予定されていたが、8月に打ち上げられた2機が軌道から外れた原因の分析に時間がかかり、計画がずれ込んだ。7号機と8号機は軌道上でのテストを経て、今年半ばまでに本格稼働を開始する。

ガリレオは米国の全地球測位システム(GPS)に対抗してEUが開発を進めている民生用の測位システムで、最終的に衛星30基と3カ所の地上管理センターなどで構成される。EUは2020年までの本格運用を目指しており、11年と12年に打ち上げられた計4基の実証衛星はすでに測位信号の送信を開始している。なお、5号機と6号機を正常な軌道に戻すための作業は今月13日までに完了したが、測位ミッションに復帰させることができるかどうかは不透明だ。

ガリレオ計画を率いるESAのディディエ・フェーブル氏によると、今後は9月と年末または来年初頭にそれぞれ衛星2基の打ち上げが予定されており、16年末までに計16基を軌道上に配置する計画。その後は1回に衛星4基の打ち上げが可能なアリアン5型ロケットも投入してプロジェクトを加速させる。