欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/13

総合 – 欧州経済ニュース

ロシアとギリシャが経済関係強化へ、ガス事業協力や禁輸緩和を検討

この記事の要約

ロシアのプーチン大統領は8日、財政危機に陥っているギリシャのチプラス首相とモスクワで会談し、ロシアからトルコにガスを供給する「ターキッシュ・パイプライン」プロジェクトへのギリシャの参加や、同国からの農産物輸入制限の緩和な […]

ロシアのプーチン大統領は8日、財政危機に陥っているギリシャのチプラス首相とモスクワで会談し、ロシアからトルコにガスを供給する「ターキッシュ・パイプライン」プロジェクトへのギリシャの参加や、同国からの農産物輸入制限の緩和など、両国の経済関係強化の可能性について話し合った。今後、政府間委員会を通して具体的な措置を検討する。

ギリシャは欧州のエネルギーハブとしての地位構築に意欲的で、「ターキッシュ・パイプライン」への参加に強い関心を示している。政府関係者によると、パイプラインが自国まで延長された場合、年間約5億ユーロの収入が見込めるという。2019年の稼働を要望しているもようだ。

「ターキッシュ・パイプライン」は、EUとの関係悪化でとん挫したガスパイプライン「サウス・ストリーム」のロシアから黒海ルートまでを引き継ぎ、トルコのギリシャ国境まで敷設する新プロジェクト。計画する輸送能力は年間630億立法メートルで、2016年末までの稼働を目指す。

一方、ロシアのEU農産物輸入制限により打撃を受けているギリシャは禁輸解除を要望。ロシアは制限緩和に前向きな姿勢を示した。ギリシャの2014年の対露輸出額は約4割落ち込んでいる。