欧州委員会は21日、タイの違法漁業対策が不十分として同国政府に警告書を送り、6カ月以内に是正措置を講じるよう求めた。タイが対応しなければ、同国産の水産製品のEUによる輸入を禁止することになる。
EUは2010年に施行された違法・無届け・未規制(IUU)漁業を取り締まる規則に基づき、乱獲禁止など国際ルールに反した違法漁業を行っている域外の第3国の水産物の輸入を停止している。問題がある国に“イエローカード”に当たる警告書を送り、それでも改善しない場合は禁輸措置を発動するシステムだ。
欧州委はタイの違法漁業に対する監視体制などに問題があるとして、2011年から改善を促してきたが、十分に対応していないと判断し、警告書を送付した。タイ政府は6カ月以内に行動計画を策定し、実施することを求められる。これを怠ればEUへの水産製品輸出が禁止される。
EUはこれまでにカンボジア、ギアナ、ベリーズ、スリランカに輸入禁止措置を発動。昨年12月に解除したベリーズを除く3カ国に同措置を適用している。
一方、欧州委は同日、警告書を送付していた国のうち韓国、フィリピンについて、違法漁業対策が進展したとして、警告解除を決めた。