EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は5日、北京で開催された第5回ハイレベル戦略対話で中国の楊外交部長と会談し、政治・経済関係の促進や気候変動など地球規模の課題への対応について意見交換した。
会談は、EUと中国が6日に外交関係樹立から40年の節目を迎えるのを前に行われた。モゲリーニ代表は会談後の共同記者会見で、安全保障と防衛の分野での協力強化に向けた「具体的な可能性」について協議したことを明らかにし、ソマリア沖・アデン湾での海賊掃討共同作戦が成果をあげたことに言及した。また、イラク、シリア、リビアでEUと中国は共通の利益を持っていると指摘。両者が事態の改善に共同で取り組むことで大きな効果があがるとの認識を示した。さらにウクライナ問題では、同国の主権を尊重した外交的な解決が必要との見解で一致したことを明らかにするとともに、イランの核開発をめぐる協議や国際的な人身売買問題の解決に向け中国が大きな役割を果たすことに期待感を示した。
気候変動問題については、「中国が果たしてきた役割を高く評価している」と述べたうえで、今年12月にパリで開かれる国連気候変動枠組条約第21回締約国会議を成功に導くことは「共同責任だ」と強調。6月末に開かれるEUと中国の首脳会議で会議の成功に向けた「共通のアプローチで合意できると確信している」と述べた。