欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/5/11

総合 – 欧州経済ニュース

欧州委がスペイン政府への制裁決定、財政赤字の過少申告で

この記事の要約

欧州委員会は7日、スペイン政府が財政赤字を過少申告していた問題で、1,893万ユーロの制裁を科すと発表した。このような問題でのEUによる制裁は初となる。 欧州委によると、問題となっているのはスペインの2011年の財政赤字 […]

欧州委員会は7日、スペイン政府が財政赤字を過少申告していた問題で、1,893万ユーロの制裁を科すと発表した。このような問題でのEUによる制裁は初となる。

欧州委によると、問題となっているのはスペインの2011年の財政赤字。スペイン政府は12年、バレンシア地方の自治体が誤ったデータを政府に提供していたことで、EUに提出した11年の同国の財政赤字が実際より少ないことが発覚したとして、修正申告を行った。これによって同年の財政赤字は国内総生産(GDP)の0.2%に相当する分が上乗せされた。

欧州委が同問題についてスペインと連携して調査を進めた結果、同自治体はミスにより、医療支出を財政統計に勘定していなかったことが判明。「深刻な不手際があった」として、スペイン政府に制裁を科す方針を固めた。制裁は加盟国による承認を経て実施する。

EUではギリシャ政府が財政赤字を過少申告したことで同国の債務危機への対応が遅れ、ユーロ圏を揺るがす信用不安を招いた反省から、財政データを虚偽申告した国に欧州委が制裁を発動できる制度を2011年に導入していた。この制度に基づく制裁は今回が第1号となる。