欧州系格付け会社のフィッチ・レーティングスは2日、スロベニアの長期信用格付けを投資適格級で下から3番目の「BBBプラス」に据え置いたものの、見通しは「弱含み(ネガティブ)」から「安定的(ステーブル)」に引き上げた。同国の景気回復が従来予測を上回るペースで進んでいるため。EUではアイルランド、スペイン、ラトビアも「BBBプラス」に格付けされている。
フィッチは国営銀行に対する公的資金の注入や不良債権受け皿機関(バッドバンク)の設置、民営化推進などの施策によって銀行セクター関連のリスクが軽減されたと指摘。国による市場資金調達がこれまでよりも大幅に容易になったことも評価した。ブラトゥシェク首相が与党「積極的なスロベニア」の党首の座を追われ、総選挙に踏み切る可能性はあるものの、これが同国経済に及ぼす影響は小さいとみている。