欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/5/18

EU産業・貿易

仏上院、経済改革法案を可決

この記事の要約

フランス上院(元老院)は12日、経済活性化に向けた一連の規制緩和を盛り込んだ経済改革法案を賛成185、反対44の賛成多数で可決した。 マクロン経済・産業・デジタル相が取りまとめたいわゆる「マクロン法案」には、◇現在年間5 […]

フランス上院(元老院)は12日、経済活性化に向けた一連の規制緩和を盛り込んだ経済改革法案を賛成185、反対44の賛成多数で可決した。

マクロン経済・産業・デジタル相が取りまとめたいわゆる「マクロン法案」には、◇現在年間5日まで認められている小売店の日曜営業の日数を最大12日に増やす。パリなど観光区域では営業時間を深夜0時までに延長する◇公証人や執行官の事務所設立を容易にする◇労働審判制度の改革により、解雇に係る複雑な紛争処理手続きを簡素化する◇政府が保有する上場企業株式の売却◇長距離バスの運行経路の自由化による交通部門の競争促進◇運転免許証取得手続きの簡素化および取得費用の引き下げ、建設業の不正防止に向けた専用IDの導入――などが盛り込まれている。停滞する国内経済の活性化を目指すこの法案には、与党・社会党の内部でも強く反対する声が多い。バルス首相は2月、国民議会(下院)での同法案の審議で多数派の賛成が見込めない中、憲法上の規定を行使し、表決なしの採択を強行した。

法案は今後、上下両院の代表で構成される両院合同会議で審議される。同会議で合意に至らなかった場合には下院が最終的な議決を行う。