欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/5/18

EU産業・貿易

EUとメキシコが新たな自由貿易協定締結へ、年内にも交渉開始

この記事の要約

EUは11日、メキシコとの間で新たな自由貿易協定(FTA)の締結を目指すことで合意した発表した。両者は2000年にFTAを締結しているが、その後の経済情勢の変化などにより生じた新たな課題に対応するため、現行協定に代わる協 […]

EUは11日、メキシコとの間で新たな自由貿易協定(FTA)の締結を目指すことで合意した発表した。両者は2000年にFTAを締結しているが、その後の経済情勢の変化などにより生じた新たな課題に対応するため、現行協定に代わる協定を締結したい考え。

ブリュッセルでメキシコのグアハルド経済相と会談した欧州委のマルムストローム委員(通商担当)は会談後の共同記者会見で、現行のFTAは関税障壁の撤廃を通じてEUとメキシコの間の貿易や投資を促進し、経済成長に貢献したと評価する一方で、世界情勢は現行FTAが締結された頃から変化しており、企業は新たな障壁に直面していると指摘。「協定を新たな現実に適応させる必要がある」と述べ、EUが13年にカナダと締結したFTAや、現在米国との間で交渉を進めている環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)に匹敵する内容となるよう現行協定を見直す考えを示した。一方、グアハルド経済相は、EUがメキシコの主要貿易相手国である米加との通商関係を強化する中で、メキシコも歩調を合わせていくことが重要だとの認識を示した。締結交渉は早ければ今秋にもスタートする見通しだ。

2013年のEUの対メキシコ輸出額は430億ユーロ、輸入額は200億ユーロだった。