欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/7

西欧

ダイムラー、リチウムイオン電池合弁を完全子会社化

この記事の要約

独自動車大手ダイムラーは1日、自動車用リチウムイオン電池分野での独化学大手エボニックとの提携を解消すると発表した。両社が展開してきたリチウムイオン電池と同電池用セルの合弁会社について、エボニックの株式持ち分を取得し、完全 […]

独自動車大手ダイムラーは1日、自動車用リチウムイオン電池分野での独化学大手エボニックとの提携を解消すると発表した。両社が展開してきたリチウムイオン電池と同電池用セルの合弁会社について、エボニックの株式持ち分を取得し、完全子会社化する。エボニックは両事業で赤字が続いている上、長期的にみて高い利益率を確保できる見通しも立たないため、昨年秋に撤退方針を打ち出していた。

ダイムラーはリチウムイオン電池の合弁会社ドイチェ・アキュモーティブの株式10%と、リチウムイオン電池セルの合弁会社リテック・バッテリーの株式50.1%を譲り受ける。取引金額は明らかにしていない。

リテックはエボニックが2006年に設立した車載用リチウムイオン電池の開発・製造会社。08年にダイムラーの出資を受け入れた。出資比率はエボニックが50.1%、ダイムラーが49.9%。独東部のカメンツに工場を持ち、2011年に生産を開始した。従業員数は380人。

ドイチェ・アキュモーティブは09年の設立で、12年から生産を行っている。出資比率はダイムラーが90%、エボニックが10%。従業員数は230人で、西南ドイツのキルヒハイム・ウンター・テックに本社がある。

両合弁は製品の供給先がダイムラー傘下の超小型車ブランド「スマート」に限られており、採算がとれていない。エボニックは今後、経営資源を特殊化学分野に絞り込む意向だ。