高級ブランド大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトンは5月26日、仏メディア大手グループ・アモリ傘下の日刊紙「ル・パリジャン」の買収に向けた交渉を行っていることを明らかにした。経済紙「レゼコー」などを擁するメディア部門の強化が狙い。10月までの合意を目指す。
ル・パリジャンはフランスがナチスドイツの占領下にあった1944年、レジスタンス組織が発行した新聞が前身。現在はパリと近郊地域を中心に発行されている。
LVMHは同紙と姉妹紙「オージュルデュイ・アン・フランス(今日のフランス)」を買収する方向で、グループ・アモリと独占交渉を行っている。両紙の発行部数は約38万5,000部。提示した買収額は不明だが、消息筋によると5,000万ユーロ程度に上るという。
フランスの新聞業界は無料紙やネット・メディアの台頭で苦戦を強いられており、2大全国紙のル・モンド、リベラシオンも経営が悪化している。LVMHはル・パリジャン買収のよってメディア部門の底上げを図る。