欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/1

東欧・ロシア・その他

ハンガリー政府、独RWEの電力小売事業を国営化

この記事の要約

ハンガリー政府は5月28日、独エネルギー大手RWEが同国で展開する電力小売事業を国営化すると発表した。オルバン政権が進める公益事業の再国営化政策の一環で、電気料金の上昇抑制と送配電網の国有化が狙い。 政府は国営のハンガリ […]

ハンガリー政府は5月28日、独エネルギー大手RWEが同国で展開する電力小売事業を国営化すると発表した。オルバン政権が進める公益事業の再国営化政策の一環で、電気料金の上昇抑制と送配電網の国有化が狙い。

政府は国営のハンガリー開発銀行(MFB)を通じて、RWEのハンガリー子会社であるELMUとEMASZの電力小売事業を完全買収し、国営エネルギー企業ENKSZに引き継がせる。また、両社の送配電事業に49%出資する。このほか◇両社の顧客サービス事業をENKSZが2017年1月1日付で100%取得する◇ハンガリー電力公社(MVM)が同国北部の褐炭発電所をRWEから譲り受け、出資比率を従来の26.15%から49%に引き上げる――ことも決めた。これらの取引額は明らかにしていない。

オルバン政権はエネルギー料金引き下げを目的に公益事業の再国有化を進めており、RWEのガス関連会社フェーガーズや、独エーオンのガス・電力関連企業数社、仏GDFスエズのガス事業をすでに取得している。