欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/1

東欧・ロシア・その他

ポーランド大統領選、保守派のドゥダ氏が当選

この記事の要約

ポーランドで5月24日に行われた大統領選挙の決選投票で、保守派の野党・法と正義(PiS)が擁立したアンジェイ・ドゥダ候補(43)が現職のブロニスワフ・コモロフスキ候補(市民プラットホーム)を破って当選した。終始優勢が伝え […]

ポーランドで5月24日に行われた大統領選挙の決選投票で、保守派の野党・法と正義(PiS)が擁立したアンジェイ・ドゥダ候補(43)が現職のブロニスワフ・コモロフスキ候補(市民プラットホーム)を破って当選した。終始優勢が伝えられていたコモロフスキ候補が落選したことで、10月の議会選を控えるポーランドが右傾化する懸念も出てきた。

中央選管の25日発表(開票終了)によると、得票率はドゥダ候補が51.5%、コモロフスキ候補が48.5%。景気が良好な西部やバルト海沿岸地域でコモロフスキ候補がリードしたのに対し、ドゥダ候補は失業者の多い東部や東南部で支持を集めた。若者層が2007年から続く現政権に反発し、ドゥダ候補を支持したことも大きかったとされる。

ポーランドでは政治主導権は首相にあるが、大統領も法案の提出権や拒否権を有するなど、比較的強い権限を持つ。ドゥダ市は公約として◇年金受給開始年齢の引き下げ◇児童手当の増額◇子ども扶養控除の拡大◇北大西洋条約機構軍のポーランド駐留◇エネルギー部門の環境対策緩和◇金融機関・流通大手に対する課税強化――などを掲げて当選した。

ドゥダ氏は法律家で、2010年に航空機墜落事故で死亡したレフ・カチンスキー大統領の大統領府次官を務めた経歴を持つ。現在は欧州議会議員(欧州保守改革グループ)だが、大統領就任とともに辞職することになる。