欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/29

西欧

小売大手アホールドとデレーズ、合併で合意

この記事の要約

オランダ小売大手のロイヤル・アホールドとベルギー同業デレーズは24日、経営統合で合意したと発表した。合併で誕生する新会社「アホールド・デレーズ」は売上高が約540億ユーロに上る世界有数の小売グループとなる。2016年半ば […]

オランダ小売大手のロイヤル・アホールドとベルギー同業デレーズは24日、経営統合で合意したと発表した。合併で誕生する新会社「アホールド・デレーズ」は売上高が約540億ユーロに上る世界有数の小売グループとなる。2016年半ばの合併手続き完了を目指す。

アホールドとデレーズは5月中旬、合併交渉を進めていることを明らかにしていた。合併は株式交換方式で行われ、デリーズ株主は1株につきアホールドの4.75株を受け取る。共同声明は「対等合併」としているが、実質的にアホールドによる買収で、新会社の株式61%を握る。アホールドのディック・ボーア最高経営責任者(CEO)が新会社のCEOとなる。

両社は欧州のほか米国に大きな事業基盤を持ち、同国でアホールドは「ショップ&ショップ」「ジャイアント」、デレーズは「フード・ライオン」「ハナフォード」のブランド名で食品スーパーを運営している。アホールド・デレーズが展開する約6,500店のうち2,000店以上が米国の店舗となる。市場調査会社Natixisによると、アホールド・デレーズは米国の食品小売市場で5位、欧州の同市場で4位に浮上する。

両社は店舗運営、調達などのコストを削減し、米国などでの競争力を強化するため合併に踏み切った。コスト削減効果は合併から3年目で年5億ユーロに達すると見込んでいる。