欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/12

EUその他

ソルベイとイネオスの塩ビ事業統合、欧州委が条件付きで承認

この記事の要約

欧州委員会は8日、欧州化学大手のソルベイ(ベルギー)とイネオス(スイス)が欧州のポリ塩化ビニル(PVC)事業を統合し、合弁会社を設立する計画を条件付きで承認したと発表した。 ソルベイとイネオスは13年5月、PVC樹脂の主 […]

欧州委員会は8日、欧州化学大手のソルベイ(ベルギー)とイネオス(スイス)が欧州のポリ塩化ビニル(PVC)事業を統合し、合弁会社を設立する計画を条件付きで承認したと発表した。

ソルベイとイネオスは13年5月、PVC樹脂の主原料となるクロロビニルの欧州事業を統合し、折半出資の合弁会社を設立することで合意していた。同合弁会社は売上高が43億ユーロに上り、信越化学に次ぐ世界2位のPVCメーカーとなる。

同買収をめぐっては、欧州委の初期調査で、両社がパイプや窓サッシなどの材料となるポリ塩化ビニル懸濁液(S-PVC)と、浄水・消毒などで用いられる漂白剤の原料となる次亜塩素酸ナトリウム事業で欧州大手であることから、競争上の問題が浮上。欧州委は承認を見送り、詳細な調査を進めていた。

これに対して両社は競争上の是正策として、ドイツ、フランス、オランダにあるS-PVCの3工場と、ベルギーと英国にある塩素、二塩化アセチレンの生産施設を売却することを提案。欧州は同措置によって競争上の問題は解消されるとして、その実施を条件に合弁計画を承認した。