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2015/6/29

西欧

独肥料大手K+S、カナダ企業が買収打診

この記事の要約

カリ肥料大手の独K+Sは25日、カナダの同業ポタシュから買収の打診を受けたと発表した。買収が実現するとポタシュは世界最大手に浮上する。 ポタシュは26日、買収交渉開始を提案したことを確認。正式に買収提案を行うかどうかは定 […]

カリ肥料大手の独K+Sは25日、カナダの同業ポタシュから買収の打診を受けたと発表した。買収が実現するとポタシュは世界最大手に浮上する。

ポタシュは26日、買収交渉開始を提案したことを確認。正式に買収提案を行うかどうかは定かでないとしている。

報道によると、同社は暫定的な提案として、1株当たり約40ユーロ、総額70億ユーロ超での買収を打診しているもよう。K+Sが提案に応じない場合は、敵対的な買収に踏み切るとみられている。

ポタシュの昨年のカリ生産量は昨年880万トンで、ロシアのウラルカリ(同1,210万トン)、ベラルーシのベラルーシカリ(1,030万トン)に次ぐ世界3位に付けている。K+Sは570万トンで5位。ポタシュがK+Sを買収すると1,450万トン(市場シェア8%強)に拡大し、世界最大手に浮上する。

カリ業界では近年、M&Aの動きが活発化している。世界の人口増加に伴う農産物需要の拡大を背景に肥料市場が長期的に拡大すると見込まれるためで、ウラルカリは2010年、露シルヴィニトを買収。当時1位のポタシュを抜いてトップに躍り出た。

ポタシュはK+Sを買収すると、規模のメリットを引き出せるほか、欧州、南米事業を強化できる。ポタシュの売上高は約54億ユーロ、K+Sは同38億ユーロで、合わせて92億ユーロに達する。