欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/7/6

EU情報

グーグルの異議告知書回答期限は8月、欧州委が延長要請を受理

この記事の要約

米グーグルがインターネット検索市場で公正な競争を阻害した疑いがあるとして、欧州委員会が4月に異議告知書を送付した問題で、グーグルの広報担当は6月29日、欧州委への回答期限が新たに8月17日に設定されたことを明らかにした。 […]

米グーグルがインターネット検索市場で公正な競争を阻害した疑いがあるとして、欧州委員会が4月に異議告知書を送付した問題で、グーグルの広報担当は6月29日、欧州委への回答期限が新たに8月17日に設定されたことを明らかにした。当初の回答期限は7月7日だったとされるが、グーグルは異議告知書の内容を精査するためなお時間が必要として、欧州委に期限の延長を求めていた。

欧州のネット検索市場でグーグルは約9割のシェアを握る。欧州委はグーグルが欧州のネット検索市場における支配的地位を乱用し、検索結果を自社に有利になるよう操作していると主張する競合他社からの訴えを受け、2010年に本格調査を開始。同社は制裁を回避するため、過去2年間で3回にわたり、検索結果で競合企業のロゴやリンク先のサイトを目立たせるなどの改善策を提示したが、利害関係者に意見を聞く市場テストでは「対応が不十分」との苦情が多く寄せられ、和解合意に至らなかった。

欧州委はグーグルが検索結果ページで自社の商品価格比較サイト「グーグルショッピング」を優先的に表示することで、競合するサービスを不利な立場に置き、結果的に消費者の選択を狭めているとの見方を強めている。ロイター通信が入手した文書によると、欧州委は最終的にグーグルの商慣行を競争法違反と認定した場合、同社が欧州で展開するグーグルショッピングの売上高や、クリック課金型広告サービス「アドワーズ(AdWords)」の収益を基に制裁金の額を算定する方針を示している。